24.

10月1日:ワンダーステーション1stにて13時から26時までと2stで13時~23時まで昨日同様、2つのスタジオを併用してトラックダウン。これで全作業が終了。大林さんがワイン等のお土産を持ってきて下さり、作業の終了を祝う。午前3時に全員で「草の想い」を大合唱。, 今度、NECアベニューから、今まであったレーベルの中に新シリーズ”サウンド・シアター・ライブラリー”を設けて、積極的に映画音楽のCDを出していこうと思っています。基本的に大きな柱が二つあって、一つは日本の良質な映画音楽を出していこうというもので、もう一つは、映画からイメージを受けた耳で聴くサウンドトラックみたいな形で、映像を抜いた新しいサウンド・シアターというか、そういう新しい試みが出来ればいいな、と考えているんです。もっと言えば、実際にサウンドトラックで作った曲ではなく、新たに歌で作り直したりという、そういったことも当然起こってくるでしょう。もちろんベーシックには映画というものを置いてありますけど、映像との関わり合いというか、そういった関係の中で起こり得る、これからのオーディオ・ヴィジュアル時代にあるべきいろんな試みが出来ればいいと思っています。, ”サウンド・シアター・ライブラリー”の大きな特徴は、CDに脚本が全部ついてくることです。それによって自分達が映画に対して音との関係とか、映像があるために納得してしまうようなことを、見ないために、脚本を読んで音を聴いてイメージを喚起できることもあるし、その方がよほどイマジネーション豊かなわけ。とりあえず3月21日に「仔鹿物語」を出し、同時に大林宣彦監督自身が歌っている「ふたり」のシングルを、4月にそのサウンドトラックを出す予定です。このシリーズで大事なことは、単発で出してもあまり見向いてもらいないことを、こういったシリーズにして形にすることによって注目してもらうことであり、映画音楽にスポットを当てるという意味では非常に効果的なんです。今回脚本の中に音楽が入る箇所は示さなかったんですが、何かの作品ではやると思います。ただ、専門家用の企画になると困るので、もっと一般の人に楽しめるように、あまり細かい視点までは入れないつもりです。やはりこれ自体、エンターテインメントでありたいものですよね。, (Blog. 一つのテーマ曲で貫いた『ハウルの動く城』「人生のメリーゴーランド」誕生秘話 (久石譲著書より), Disc. 久石譲 『Stand Alone』 坂の上の雲 メインテーマ 全ヴァージョン紹介, Blog. いたわり

9月30日:ワンダーステーション1stにて13時から28時までと2stで13時~23時まで2つのスタジオを併用してトラックダウン。大林監督も駆けつけて下さる。

白い指先 6月22日:大林監督からテーマ曲の「草の想い」(この時点では愛と哀しみのバラードというタイトルであった)の歌詞が届く。 2020/10/30 久石譲が続けてきた音楽を未来につなぐチャレンジ WEBインタビュー (ONTOMO), Overtone.第36回 オーロラ管弦楽団を聴く Listen to Aurora Orchestra, NHKにて抜粋版放映時、音楽について、だれが歌っているのか、譜面が欲しい、テープが欲しいと、800通もの問い合わせがあった。, オリジナル・アルバム『MY LOST CITY』にて「Two of Us」というインストゥルメンタル・バージョンが完成した。, 90年代某人気TV番組の「ご対面/再会シーン」で流れる音楽として印象的に使用され続け、その番組のためのオリジナル作品と勘違いする人も多かったほど。. 宴の光と影

8. 明るい日 追憶 2021/07/08,10 「久石譲 フューチャー・オーケストラ・クラシックス Vol.5」開催決定!! 大林宣彦監督による映画『ふたり』のサウンド・トラック。音楽を担当したのは、宮崎駿や北野武作品でもおなじみの久石譲。, 大林宣彦監督映画「ふたり」のサントラ盤。監督とのデュエットによる主題歌「草の想い~ふたり・愛のテーマ~」他を収録。 (C)RS, 全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。, さらに、映画もTV番組も見放題。200万曲が聴き放題 「キネマ旬報 1991年4月下旬号 No.1056」 久石譲インタビュー内容 より抜粋), かつて僕は多くの映画から沢山のことを学んだ。人が生きることで出会う様々な喜び、悲しみ、愛と憎しみ、映画は実生活では体験しえない程の人生を見せてくれた。そしてほんのすこし賢くなって僕は人に対してちょっぴり優しくなれた。, 小さいころ僕の生まれた町では二つの映画館があり週変わりで3本づつ、月に24本以上の映画が上演され、僕はそのすべてを見た。アクション物から恋愛もの、西部劇から怪談物まで映画館の真暗闇のなかで息を殺してワクワクしながら見守っていた。そして映画館を出てきたとき、その映画の主人公になったつもりでさっそうと歩きながら、口をついて出てきたのが映画音楽だった。それは今でも変わっていない。, ”タラのテーマ”(風と共に去りぬ)”ツナイト”(ウエストサイド物語)”アズ・タイム・ゴーズ・バイ”(カサブランカ)”ムーンリバー”(ティファニーで朝食を)今でもこのメロディーが流れて来たら映画のシーンが浮かんできてジーンとしてしまう。, そして今、音楽の道に進んで、それが映画と関わり合うなんて何てすてきなことだろう。僕は映画音楽が大好きだ。, しかし今映画音楽の現状は、日本の映画の現状と同じくらい悲惨だと思う。優れた監督もいれば優れたアクターもりう。また映画を作るための資金もある。なのに何故日本ではこうも閉鎖的で非創造的な環境になってしまったのか? ジリ貧の音楽予算と苛酷なスケジュール、そして劇伴と呼ばれるようなイージーな作曲家側の姿勢。言いだしたらきりがない。, だが、僕たちは現状を嘆いたり批判するだけで良いのだろうか? それでは何も変わらない。まず自分でやれることからやっていくべきなのだ。かつて映画館で見た夢を取り戻すためにも。, 「昔、ひとの心に、言葉ひとつ、生まれて、・・・・・」 6月24日:ワンダーステーション1stにて14時~21時までテーマ曲の録音。大林監督が仮歌を入れてくださる。 宿泊は、ピアノのある民泊「せとうち母家」さんを利用しました. 監督:大林宣彦 音楽:久石譲 出演:石田ひかり 他, 久石譲の往年の名曲であり、コンサートでも演奏されることの多い楽曲。時にピアノ・ソロで、時にアンサンブルで、時にオーケストラでと、いろいろなバリエーションがあり、CDとしても複数のヴァージョンが残っています。, その原曲にあたるのが、映画『ふたり』主題歌として使用された「草の想い」という楽曲です。なんとも逸話の多い楽曲なのです。, 映画公開当時、劇場で販売されていた映画パンフレットより、久石譲インタビューを中心にご紹介します。, 大林監督の声はとても魅力的だ。優しくて暖かで、モダンで、そう、男が男らしくいられた時代のカッコ良さがある。大林監督の手はとても大きい。その手でピアノも弾くし作曲もされる。そして驚くほど音楽が好きで信じられないほど音楽について詳しい。, 大林監督にお会いしていると本当に楽しい。僕たちはこの都会の大人の社会で生活しているわけで、嫌なことや悲しいことが日々襲ってくる。でもそんなささくれだった心も、大林監督にお会いするとスッと身体の力が抜けて行き、少年の日の心が戻ってくる様な気がする。だから実は毎日でもお会いしたい。そうすればちょっと人に優しくなれるかも知れないから。, ある日、僕達はピアノの前に座っていた。すでにその映画のなかで使用するシューマンとモーツァルトの楽曲は録音を終えていた。そして僕が書いたメインテーマ用のデモテープを1~2回聞いた。ピアノで弾きだそうとした時には、すでに監督は歌い出されていた。それも音程一つ間違えないで。翌日、その歌詞が送られてきた。「昔人の心に、言葉、一つ生まれて・・・・」映画『ふたり』の主題歌『草の想い』が誕生したのだ。, そして僕には歌手、大林宣彦さんのデビューが当然のことに思えた。でもシャイな監督は一人で歌うのを「ウーン…」と首をひねり、問わず語りの眼差しで、僕の方を振り向いたので僕も「ウーン…」と答えた。そこで奥様でありプロデューサーである恭子さんが「ふたり」なのだから「ふたり」で歌えば、という画期的な裁定を下した。大林宣彦&フレンズが歌う『草の想い』はこうして巷間に流れることになった。, 映画『ふたり』との出会いはとても幸せだった。すばらしい作品を担当できるなんて音楽家にとって最高の喜びだ。中には8分台の長さの音楽が幾つかあって難しかったのだけれども、そのハードルを越えることにかえって燃えた。, クライマックスの後で、母親が父親に語りかけるシーンがある。「あなた…」「風呂はまだ…」変ロ長調のストリングスの和音が妻であり、母親である一人の女性の台詞と絡みながら徹かに聞こえてくる。静けさと優しさと愛に満ちたシーンだ。, 人が人を許しあい、あるいは認めあい、喜びも悲しみも寂しさもすべてそのまま受け入れて生きていく。ほとんど宗教的とも言えるその深さは、この映画が真の傑作であることを決定的なものとしている。, 僕はこの映画を3回見る事をお薦めする。1回目は友達と、そうすれば友情の有り難さが分かり、2回目は恋人と、そうすればかけがいのないものが分かり、3回目は父親と、そうすれば誰よりもあなたを愛している人が分かる。, 大林監督とお会いしていると本当に楽しい。でも、忙しい監督に毎日お会いするわけにも行かないので僕は大林さんの映画を沢山見ることにした。そうすればちょっと、人に優しくなれるかも知れないから。, 大林ムービーに欠かせないクラシック音楽の調べ。加えて、今回全編に流れる主題歌”草の想い”は、劇中、石田ひかり、中嶋朋子、島崎和歌子によって唄われ、映画を見終わった後も思わず口ずさんでしまう、美しく、せつないメロディーだが、これが監督自らの歌詞であり、映画のエンディングでも自らメロディーに乗せたナレーションとして唄われているのも話題である。昨秋、テレビヴァージョンがオンエアされるや、この主題歌についてのただならぬ反響が沸き上がり、とうとう映画公開に合わせて大林監督版、中嶋朋子版がそれぞれCDで発売された。本来がアイドル歌手でもある石田ひかり版が無いのは、彼女がこの『ふたり』において女優誕生の責務をきちんと果たしたので、『ふたり』をアイドル映画になどしないという、いわばご褒美として、女優石田ひかりは唄わないことになった。その結果、監督自らが”父親代わり”にこの物語の心の想いを伝える言葉を、語り、唄うことになった。, この一度聴いたら忘れられない魅力的なメロディーの生みの親は、『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』などの映画音楽で多くのファンの心を掴んだ久石譲。大林監督の前作『北京的西瓜』(89)を映画館で見、その手づくり映画のあり方に感動し「今度、ぜひ大林さんの手づくり映画に手弁当で参加したい」とラブコールを送り、それに監督がさっそく応え、久石氏はそのまま尾道に直行、二百人に及ぶ尾道の女学生の出演者たちのオーディションの審査席に座ってしまった。そして海や山のロケハンに参加、その感動がそのままメロディーとなったもの。こうしてクラインク・イン前にすでに主題曲がつくられていたので、映画本編中いわば唄うダイアローグとして効果的に使用されることになった。全編に渡る映画音楽は、これほど映像と音楽とが幸福に出会えたことはないと思われるほどの出来栄えであるが、これも尾道の空気を共に吸い、味わったことの成果ともいえるだろう。さらに言えば監督版CDでFRIENDとして監督とふたり、陰の声で唄っているのは久石氏である。, 中嶋朋子版のCD製作は、この地道に女優の道を歩む一少女への、石田ひかりとは逆の形でのご褒美である。監督はさらに映画では唄われなかった”わたし、いないの”を新たに千津子のイメージ・ソングとして作詞、久石譲のメロディーを添えて中嶋へ『ふたり』の想い出として贈った。. 草の想い~ふたり・愛のテーマ~ 風になって 2020/10/30 久石譲が続けてきた音楽を未来につなぐチャレンジ WEBインタビュー (ONTOMO), Overtone.第36回 オーロラ管弦楽団を聴く Listen to Aurora Orchestra. 久石譲 『栃木市民の歌 -明日(あす)への希望-』 *Unreleased, Info.

久石譲 「ナウシカ」から「かぐや姫」まで ジブリ全11作 インタビュー まとめ, Blog. 3. ふたりと二人 !】, Info. 『ふたり』は、赤川次郎の小説。1989年1月新潮社刊。 事故死してしまったしっかり者の姉と、姉に頼ってばかりいた妹との、奇妙な共同生活を温かくつづった青春 ファンタジー。 大島弓子がカバーイラストを手がけた。. 北尾家の人々 7月9日:ワンダーステーション1stにて13時~17時30分まで島崎和歌子さんによるテーマ曲の歌入れをする。 「かぐや姫の物語」 わらべ唄 / 天女の歌 / いのちの記憶 歌詞紹介, Disc. 4. 9月21日:ワンダーステーション1stにて13時から20時までレコーディング。最終的な監督との電話での打合せで全42曲に決定。 27. Copyright © 久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋 All Rights Reserved. !】, Disc. 13. 9月23日:ワンダーステーション1stにて13時から25時までレコーディング。最終ロールのR-9が届く。 10. Posted on 2016/2/8 1991年公開 映画「ふたり」 監督:大林宣彦 音楽:久石譲 出演:石田ひかり 他 曲名「Two of Us」 久石譲の往年の名曲であり、コンサートでも演奏されることの多い楽曲。時にピアノ・ソロで、時にアンサンブルで、時にオーケストラでと、いろいろなバリエーションがあり、CDとして 宴の光と影 独り暮し 映画『タスマニア物語』(1990) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより, Blog. 淋しいひとたち 2021/02/04,05 「JOE HISAISHI FUTURE ORCHESTRA CLASSICS Vol.3」コンサート開催決定!! 実加と真子

6月2日:実加の弾く曲をシューマンの飛翔に決め監督にお伝えする。 白いページ 神保彰 『GATHERING WELCOME TO ANIMATION WORLD』, Blog. 映画『マリと子犬の物語』(2007) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより, Blog. 5月22日:台本が届く。 5. 12. すぐ近くで… 【11/17 Update! 20. 23. 9月27日:ワンダーステーション1stにて13時から26時までレコーディング。 。クラウドに好きなだけ写真も保存可能。, このショッピング機能は、Enterキーを押すと商品を読み込み続けます。このカルーセルから移動するには、見出しのショートカットキーを使用して、次の見出しまたは前の見出しに移動してください。, 映画を見て以来、頭から離れなくなったメロディーをやっと手に入れることが出来ました。素晴らしいアルバムですね。大林監督と久石穣さんのデュエットは、プロデューサー大林素子さんの命令だとか。これが聞きたかったんですね。映画ではエンドロールで流れましたが、ゾゾゾっときました。それが一番最初にきています。上質の音楽は、日々の暮らしも上質に変えてくれる力があると思います。, 映像の魔術師、大林宣彦ワールドをもりあげている重要なファクターのひとつが、映像とみごとにシンクロして流れる音楽です。久石譲氏による、静かで広がりのあるテンポから、激しく心を揺さぶられ、なんとも物悲しい雰囲気にさせられる幅広いイメージに、酔ってしまいます。, 商品詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。チェックした商品詳細ページに簡単に戻る事が出来ます。, © 1996-2020, Amazon.com, Inc. or its affiliates. モノクローム 海の見える風景 3. 久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『Symphonic Suite “Kikiʼs Delivery Service”』, Disc. 作詞:大林宣彦 作曲:久石譲 歌:大林宣彦&FRIENDS, なお発売後の経過により一度廃盤となった本作品は、 久石譲 「ナウシカ」から「かぐや姫」まで ジブリ全11作 インタビュー まとめ, Blog. 6月20日:アバコ・スタジオ302stにて18:00からピアノ3曲の録音を行う。 6. エピローグ 9. 失ったもの 友だち 18.

【中止 6/11 Update! 「かぐや姫の物語」 わらべ唄 / 天女の歌 / いのちの記憶 歌詞紹介, Disc.

姉の初恋 「キネマ旬報 1991年4月下旬号 No.1056」 久石譲インタビュー内容, Blog. 6月12日:アバコスタジオにてアバコの林氏とPSC大島氏と打合せ、発表会のシーンの音楽と他のシーン用の音楽について、締め切りが7月1日に設定される。 9月22日:ワンダーステーション1stにて13時から25時までレコーディング。この日は8曲作る。 拍手の中の二人 8. -久石譲さんとの、幸福な、対話, 久石譲さんと話していると、楽しい。こちらの目をきっちりと見て、選び抜かれた言葉を誠実に投げかけてくる。ひとつひとつの言葉が積み重ねられて、次第に、正確に、久石さんのチャーミングなお人柄が、目の前にくっきりと造形されてくる。その久石さんの姿に見惚れながら、こちらも己れの言葉を大切に紡いでいると、いつの間にやら久石さんの笑顔に誘われて、ぼく自身も良い人間になっていくようで、心が洗われるようで、とても気持が良い。そしてそれは、まるで久石さんの音楽を聴いているような心地なのだ。, 人は誰でも、言葉でものを考え、言葉で自己を表現し、言葉で相手を受け止める。それを更に自分に似つかわしく、しかも相手に心地良く伝えるために、例えば絵を描き、例えば映画をつくり、例えば音楽にその想いを託する。久石さんの音楽は、久石譲さんの言葉が、最も幸福に表現されたものなのだろう。, そういう意味で、久石さんの音楽は、いわば、動詞だ。日本では、音楽とはどちらかといえば形容詞のようなものと考えられることが多いが、久石さんの音楽は、久石譲というひとりの人間の、想念を伝えるひとつの意志なのだ。そこに音楽というものが本来的に持つ力と美しさとがある。あらゆる芸術は、人間を幸福にするために生み出されてきた。久石さんはいつでもその幸福について考え、実行する。それが音楽となってぼくらの心を揺さぶる。幸福に生きるべく勇気を鼓舞する。そして例えば、あした、もう少しだけよい人間になろう、他人に優しく生きていこう、と決意し、自分自身に約束する。久石さんの音楽は、そのようにして、ぼくらの暮しに働きかけてくるのだ。, そういう久石さんの素晴らしさは、不平不満を一切口にしないという、日常の中での強い意志力にも表れている。この日本という国で、芸術家が幸福であることはまことに難しい。なにかにつけて愚痴も言いたくもなることばかりだ。しかし久石さんはいつでも幸福そうに微笑んでいる。「ぼくは大好きな音楽と一緒に生きていて、そして毎日、一歩ずつ、ぼくの理想の音楽に近づいている。だから、ぼくは幸福です」と久石さんは言う。そうなのだ。自らの幸福を信じる力こそが、創造の源なのだ。自らの幸福に感謝する心こそが、優れた芸術の温床なのだ。そういう幸福と共に暮すことへの畏れと誇りと責任感とが、例えば国際的な音楽家たちの、久石さんの音楽への共感を呼び起し、良き強力となって表れる。, ぼくの最新作の映画『ふたり』の音楽監督は久石さんである。ここには同じ言葉で語り合える二人の人間同士が、お互いの生きる証、愛そのものとしてその人生の中で選び取った、映画と音楽とが、幸福に対話している。この幸福感の中で、久石さんがほとんど即興的に生み出したメロディに、ぼくがほとんど反応するように手操り寄せた言葉たちは、思えば僕と久石さんとの対話のような詞となっていた。, おまけに、この主題歌を、久石さんとぼくとで唄っちまったというのは、幸福過ぎてのハシャギ過ぎか、あるいはきっちりプロフェッショナルの仕事であるのか、そこのところは賢明なる諸姉諸兄の、判断に委ねるべきであるだろうが。, プロローグ

石段の道 30. デイヴィッドは1980年代初めに、パースのワインバーのピアニストとして、公での演奏を再開する。「靄が晴れ、再び耳が聞こえるようになりました。私は再び生き返ったのです。」と、彼は回想している。後に夫人となる15歳年上のギリアンと知り合った1984年、デイヴィッドに大きな転機が訪れる。ギリアンは、内面的・対面的に混乱状態にある彼に、愛情、静寂、そして安定をもたらしたのである。, デイヴィッドはギリアンの助けを得てコンサートピアニストとして活動的な生活を復活し、彼が長年追い求めてきた「内なる音楽」を再び見出す。デイヴィッド・ヘルフゴットは、小規模なコンサートへの出演を経た後、1986年にオーストラリアでの公演ツアーを行ってチケットを完売させ、続いてドイツとデンマークでコンサートを行い、コンサートの舞台への偉大なるカムバックを成功させる。オーストラリア人映画監督スコット・ヒックスは、コンサートを終えたデイヴィッド・ヘルフゴットのもとを訪れ、デイヴィッドに魅せられた彼はデイヴィッド・ヘルフゴットについての映画を撮ることを決意する。そして10年後の1996年に完成した映画『シャイン』は、世界中で大ヒットし、主演したジェフリー・ラッシュはアカデミー賞主演男優賞を獲得した。, 「人生の中でこのような経験をする人は多くないわ。アカデミー賞受賞式で、デイヴィッドが喜色満面の大喜びの顔で、ミスがなかったとはいえない「熊蜂の飛行」を演奏して会場を熱狂させた姿を見て、私は言葉では表せない感謝と喜びで満たされたの。」