近年よく言われる「キャリアパス」という言葉。
キャリアパスとは、狭い意味ではある組織における出世・昇進のモデルのことを指しますが、もう少し広い意味では仕事の長期的な展望を指します。長期的な目標を立てて、そのために必要な経験や能力を設定し、どの順序でそれらを獲得していくかの道順を意味します。
現在の自分の空間的、時間的、哲学的立ち位置等を理解することが、次のステップを考えるときの下地になります。自分と環境の相対的な関係を知ることによってキャリアパスを描くことができるようになります。
さて、キャリアパスは出世・昇進のモデルであると言いましたが、一般的に医師はこれらの言葉に関心が薄いことが多いとされています。中にはこの言葉に違和感を抱く人さえいると聞きます。その理由として、医師の仕事の目標は、第一に人を病気の苦しみから解放することなどと考えていることが根底にあるようです。医師の仕事は本質的に利他的な行為であるため、利己的な言葉である出世や昇進とは矛盾しているように感じるというのです。
もちろんすべての医師がそうではありません。例としてあげると目的意識が高い医師の中には、大学教授になることを目標としてキャリアパスを考える人もいますが、そういった人たちでさえ出世・昇進という言葉を堂々と宣言することは控えるというのが日本人の一般的な考え方でしょう。
キャリアパスを考えること、キャリアパスを持つこと自体は決して悪い事ではありません。うまく活かすことで、より充実したせいかつへとつなげることができます。自分にとってのキャリアパスというものを、今一度考えてみるというのも選択肢の1つではないでしょうか。
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