患者の方へ症状等を説明しても、うまく話を理解してもらえない場合があります。
「理解してもらえない」とひとくちにいっても、パターンは様々です。
患者自身はその場では理解したと思っていても実践ができていない場合、そもそも説明が複雑なために理解を諦めている場合など。
さて、心理療法では「神経言語プログラミング」という理論があります。
人が情報処理をする場合、視覚・聴覚・体感覚の3種類があるという考え方です。
人により、場合により、どの能力で処理をしているかは違います。
つまり患者がどのタイプかを把握して、説明の方法を変えていくことで理解がしやすくなるという考え方であり、対応策を考えるためにはまず、現在どういった状況に直面しているのかを把握する必要があるのです。
まず視覚タイプは、情報や画像をイメージに置き換えて処理をすることが多いタイプです。「話が見えてきた」「他の見方はありますか」といった、映像的な言葉を好んで用いる傾向にあるようです。イラストなどを多く用意し、視覚面で理解をしてもらえるように説明するのが効果的な傾向にあります。
聴覚タイプは、音として処理をしていくことが多いタイプです。「話に聞き覚えがある」「良い考えに聞こえる」といった表現を好む傾向にあるようです。また音と合わせて言葉や文字での理解を得意とする方が多いため、言葉でのメモを用意することや、言葉での説明を繰り返すことが効果的です。
体感覚タイプは、体の感覚で掴むことが多いタイプです。「良いように感じる」といったような、感覚を重視する傾向にあります。実際に触って実感してもらうなど、経験が理解につながりやすいと言えます。
なお、日本人は視覚タイプが多い傾向にあるそうです。
もちろん人によっても違いますが。
自分の話が理解されないと、医師としては腹立たしく感じることもありますが、あくまでもこちらが感情的にならないことが鉄則です。
特に近年では医療の現場においても、患者とのコミュニケーション能力や忍耐強さなどが求められていることが多くあります。
自身が置かれている状況を把握し対応していきましょう。
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